玄関の屋根の下に、蜘蛛の巣が張られていた。
蜘蛛は屋根から木まで伸びた縦糸を伝って動いていた。
私はその蜘蛛の動きを眺めていた。
8本の内、前の4本を忙しなく動かし、後ろの1本をたまにちょいと動かし、残りの後ろ3本はピンと伸ばしていた。
8本すべてを動かす訳ではないようだ。
蛸だと、すべての足をくねくねとうねらすイメージがある。
蜘蛛も、8本すべてを使うイメージがあった。
しかし、8本の内、4本は伸ばしていた。
残り4本の動きを見て、意外とそんな複雑な動きじゃないな、と感じた。
何なら、自分でもできそうな気がする。
私には、手足4本しかないが、歩きながら手を使うことは容易い。
なら、アームで動かす機械があったとして、まるで千手観音のように背中から残り4本を取り付けたとしても、使いこなせる、気分になる。
漫画「天上天下」の颯又左、「スパイダーマン」のドクター・オクトパスのように。
玄関の屋根の下に蜘蛛の巣が張られている。
その蜘蛛の動きを眺めながら、蜘蛛の巣を取り除いた。
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