単純に、寝過ごした。
合算されていく疲れに、抵抗など無意味。
蓄積されていく疲れは、凶悪だ。
それでも、継続せねばと、身体を黄泉の国から呼び起こすように、布団から這い出る。
頭がメトロノームのようにリズム良く振れていく。
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク…
気付けば、シャッターが閉められた商店街のように、ひっそりと目が閉じている。
…後で、全力で付け足そう。
嗚呼、でも、この感じだと、明日も頭がくわんくわんと振ることになりそう…
休日は寝て過ごすことは決定だが、その前に、どうにかしたい、この疲れ。
…付け足し。
一晩明けて、今度は眠気がやって来ない。
疲れは…あるはずなのだが、眠くならない。
困った、一眠りしないと、仕事中には眠れない。
どうした、私の目蓋?今、閉じなくて何時閉じるんだ?
もう、正午は過ぎてしまったぞ。
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク…
おかしい、時計の音をずっと追っている。
致し方ない、今度はなるべく起きていよう。
ギリギリに寝て、ギリギリに起きれば良い。
仕事に間に合って、一定の仕事がこなせれば、それで良い。
こういう時、雇われは気が楽だ。
しかし、疲れというのは、何だろう?
昔、テレビで一人でヨットの操縦をして太平洋横断した人が登場して、1人だから24時間起きていなくちゃいけないのだけれど、どうしたら24時間寝ずにできるか?の問いに、「とにかく、疲れを感じる前に、小まめに休むこと」と答えていた。
この言葉を信じるならば、今は、身体を休められれば、寝なくても大丈夫なはずだ。
しかし、身体が休まっても、脳が休まらなければ意味がない、気がする。
脳が鉄板にこびり付いてヘラで削っても取れない焦げのように、びくともしない。
または、ローディング中…と表示されてから、カップ焼きそばを台所に取りに行って、作って、食べ終えて部屋に戻って確認しても、未だローディング中…のままだったように、進行が遅い。
むしろ漫画「デスノート」のLくらいの糖分を摂取した方が、疲れが取れるのではないだろうか?
…変なことばかり考えてしまう、この状態が脳が疲れる原因なのは分かっている。
凶悪な疲れは、私の自由を無慈悲に奪い。
一向に閉じない目蓋は、私の安息を無情に奪う。
この疲れに勝つ日を夢見て、夢を写さない目蓋を閉じてみる。
どうにかしたい、この疲れ。
一先ず、今日も、私の負けだ。
投稿します。