白い息、白い朧月、白いイルミネーション。
間もなく迎える、12月。
今年も残り僅か、世界が白く輝いている。
この白い世界の中、私も白くなる。
私を構成する何色かの、彩りが薄い色彩が、息を吐く度に漂白されているよう。
きっと、白く吐き出された熱い息を掬い取って、顕微鏡で覗けば、モザイクをかけられた虹のような景色が見えることだろう。
ほうほう、と息を細く長く吐く。
オリオン座へ向かう蒸気機関車のように、私は夜道を歩く。
辿り着く先は、オリオン座では、ないけれど。
辿り着いた先の、見上げた夜空には、星々は白く輝いているだろう。
白い冬、白い星空、白い漂白された私。
間もなく、12月。
白く輝く世界で、残り僅かの年を数える。
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