漫画「宇宙兄弟」の32巻を読む。
この巻には、南波六太の月面チーム一大きい男、アンディが活躍する話も収録されている。
その話の中に、アンディが面接に来た時に、当時面接官であったハガードFDがある質問をした。
「“2人以上”の誰かに同じことを褒められた経験はあるか?」
後日、アンディは、ハガードに会ったときに母と偉大な先輩から「良い意味で鈍感、タフな人間になれる」と褒められたことを伝える。
それを聞いたハガードは、こう答えた。
「2人以上が同じことを褒めてくれたなら、それは間違いなくお前の真実だ、信じていいんだ」
同じことを褒められる、というのが、大事なのだろう。
ニュアンスは変わるかもしれないが、2人以上の別の誰かから、同じことを言われるのは、普段から、そうした振る舞いをしているからだ。
だから、同じことを褒められる。
褒められても、あまり素直に受け取らない私だが、真実という言葉が、私を引き止める。
人間は、万華鏡をクルクルと回せば、模様が変わるガラス片の幾万の組み合わせのように、幾つもの顔がある。
しかし、万華鏡がキラキラと、川面の日の光の反射のように眩く光る美しさが、変わらないことも確かだ。
私は昔から、大体の人に「優しい」と形容される。
何を持って、「優しい」かは分からないが、今は、これも私の真実なのだろう、と受け止めることにした。
また、最近は「美しい、綺麗な文章を書く」ことを2人以上に指摘された。
今一つ、分かっていないが、「美しい、綺麗な文章を書く」のも、私の真実だと引き受けることにした。
面映いのは、日の光に照らされて、皮膚が赤く焼けて、痒くなるように、褒められる人の優しさが私には少し勿体なく感じてしまうから。
信じてみよう、頬を一頻り、ぽりぽりと掻きながら。
2人以上に同じことを褒められた経験は、あるか?
もしあるならば、それは、信じても良いことだと、ここに書き残す。