さて、何から書こうか、と思案しながら牛乳をマグカップに入れる。
新しく買ったマグカップの縁下1cmくらいまで牛乳を注ぐ。
紙パックを机に置いて、そのまま飲む。
みるみる内に牛乳は私の胃袋へ吸い込まれ、数秒で飲み干した。
あ、と気付いたときにはもう空になっていた。
部屋に持って行って飲もう、と考えていたが、毎回その場で飲み干してしまう。
昔からコップの飲み物はすぐ空にしてしまう。
ラーメン屋では席に給水ポットが置いてあれば、席に着いて1杯、ラーメンを待っている間に1杯、ラーメンを食べながら1、2杯、食べ終えて席を立つ前に1杯と注いで飲む。
ファミレスでも、フリードリンクのコーヒーを注いだら、冷めぬ内に飲み切ってしまう。
少しづつ飲んで楽しむ、ということがどうにもできない。
だから、カフェで何か思案しながら作業する、ということが私には難しい。
カフェでコーヒーを注文して、ちょっと考えている間にコーヒーが出てくる。
そのコーヒーを私は瞬く間に飲み干す。
飲み干してしまうと、何も頼んでいないのに席を占有することへの罪悪感に駆られる。
もう1杯とは中々いけない、カフェのコーヒーは1杯300円から400円、それなりに高いのだ。
なのでそそくさと荷物をまとめて、カフェから出る。
他の人は、1杯を飲み終えても、席に座り続けられるだろうか?
1杯を飲み終えるのに、ゆっくりと時間をかけているのだろうか?
兎角、カフェで物事に思いを耽るには、私にとって少し無理がある。
せっかちなのか?と聞かれると違うように感じる。
人を待つのに公園や駅前なら、1時間でも余裕で待てる。
品物を提供する場所で、それに見合った価値が席にあるような気がしているのかもしれない。
喉が渇いてきたので、飲み物を入れようと立つ。
この部屋に持ってきて、ゆっくり飲もう、一人しかいないのだから。
今度こそは、この部屋で飲もう、今度こそは。