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富士山本八合目までの軌跡の記録である。

2018年8月5日、私は富士山を登った。

くったくたになりながらも、本八合目まで到達した。

即ち、この記事は…

 

富士山本八合目までの軌跡の記録である。

 

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目次

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平地から一合目へ。

10時30分、富士北麗駐車場に自動車を駐車した。

ザックを背負って意気揚々と施設へ向かう。

駐車場がかなり広く、5分位歩いた。

 

施設でトイレで腸の中身を出してから、シャトルバスの切符を買った。

切符が往復で2000円なのに、片道だと720円で、往復で買った方が高いことにボロい商売だなと、ちょっと考えた。

11時発のシャトルバスで富士山を目指した。

 

二合目。

バスに揺られて富士吉田市内を走る。

途中、富士山への関門があった。

恐らく、富士の2合目なのだろう。

 

私は、気を引きしめた。

 

三合目。

バスに揺られた。

途中、富士山のドキュメンタリーが放映された。

宗教と芸術性の側面から富士山を讃えていた。

 

私も静かに讃えた。

 

四合目。

バスに揺られた。

私はじっと座っていた。


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五合目から。

シャトルバスが富士スバルライン五合目に着いた。

人がごった返していて、道の隅の方では寝ている人さえいた。

一先ず、日付の入った看板を撮影した。

 

ここなら流石に記事投稿できるだろう、と高をくくっていた。

しかし、電波が非情に悪く、短文投稿で難を逃れることにした。

12時、私は気持ちを切り替えて登り始めた。

 

最初はなだらかでほぼ平坦な道をさくさくと進んだ。

知らなかったのだが、乗馬して六合目辺りまで運んでくれるサービスがあって、途中途中、馬の糞が落ちていた。

次回があるか分からないが、今度訪れた際には乗ってみたい。

 

途中から段々と傾斜がついてくるが、私は颯爽と登っていった。

五合目は序盤のステージとしては楽勝であった。

周りの景色を見ながらのゆるい登山ではなかったが、楽勝ではあった。

 

団体の登山客の後ろに着いたとき、「道が悪いね~」と言っていたのを、内心愕然とした。

これで道が整備されてないなら、他の山を登れないじゃないかと感じた。

運動不足でちょっと息が上がったが、富士山は初心者向けだろうとも考えた。


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六合目から。

五合五勺の通称「砂走」、砂のステージだ。

細かい砂が足をとり、歩きづらかった。

五合目より更に傾斜が厳しく、楽勝と息巻いていた余裕が小削ぎ取られていった。

 

靴が砂で真っ白にしながら、登った。

砂で踏ん張りが利かない分を登山ストックの力を借りて、登った。

それでも、まだ初心者向けかな?と考えている私がいた。

 

途中、団体登山客付きのガイドさんが「深呼吸をしっかりしよう!」と言う声が聞こえたので、意識して深呼吸した。

心臓がばくばくと鳴り、汗が止め処なく出た。

持参したポカリスエットが最高に美味しく感じた。


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七合目から。

六合目の終盤、別の団体登山客付きのガイドさんが「七合目からは岩になるので、登山ストックは仕舞った方が良い」と言っていた。

七合目は岩のステージだ。

ごつごつとした岩を足場を確認しながら登って行くのだ。

 

剥き出しの岩が眼前に現れた時、これは初心者向けではないな、とようやく悟った。

傾斜のある岩場を登るのは普通に怖かったが、「山登りしている」感は凄いしたので、気分は良かった。

それにごつごつとした岩は踏ん張りが利いて、六合目の砂より私は歩き易かった。

 

七合目の中腹辺りには、山小屋が結構密集していた。

ちょっとした商店街だ。

売っている物は大体同じだが、山の中で商品を運ぶだけでも大変なので文句はない。

 

1時頃に昼食として、カップヌードルとクリームパンを買った。

カップヌードルを買った山小屋の前は、人で溢れていた。

困っていると、焼き印(金剛杖に記念に鉄の押し印で焼き入れる)をする場所で食べて良いと通してくれた。


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焼き印をする場所は、THE日本の風情であった。

木造の梁、達磨、囲炉裏、大きい薬缶、鯉の自在鉤…

ちょっとした異空間の中、富士山で最初に食べるカップヌードルは、格別だった。

 

一息吐いたのも束の間、富士の洗礼は、ここからであった。


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八合目から。

シャベルカーがあった。

石垣が土石止めの鉄筋の柵があった。

五合目から七合目までの間でも整備された道であったが、印象としてより人工物が目に入った。

 

それでいて砂利の石がぼこぼこと空洞のような窪みがあって、足を踏み出す度に石と石が擦れ、キンキンと高い音を立てた。

その音はまるで…鈴が鳴ったような、瀬戸物が割れたような、金物をトンカチで叩いたような、高い音だ。

その音は私の知っている石の音とは違い、別の世界、神々の領域に踏み入れたことを強く意識させた。

 

八合目は、神と人とのステージ、と題しておこう、と自分の中で決めた。

 

蓄積された疲れは、確実に私の足を重くしていた。

仕舞っていた登山ストックを取り出し、勢い良く登るが、1分と持たない。

ふくらはぎが悲鳴を上げ、普段使わない背中の筋肉が根を上げ、肺も控えめに痛みを訴えてきた。

 

こういう時、どう登れば良いか、私は知っている。

半歩、最小限の筋力の動きで登る。

そして、足を止めない。

 

ゆっくりと、半歩づつ、細かく細かく動き続けることが、結句、登るのに一番早い。

しばらく歩き続けると、肺が少し楽になる。

勿論、ある程度の目処を立てて、休むことも大事であることも忘れていない。

 

しかし、長い…まだ九合目ではないのか?

立ち止まって上を見上げて休んでいると、おじさんが声をかけてきた。

「八合目が一番長い」

 

本八合目が姿を現した。


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本八合目まで。

ここからは気力と体力の勝負であった。

気力は十分で、長いなら長いなりに楽しんでいたが、問題は体力面で、みしみしと身体が軋んだ。

半歩づつ、半歩づつ、ゆっくりと、と自分に言い聞かせた。

 

八合目の山小屋に着いた時は、感慨無量であった。

早速、夕食にとカレーを注文し食べた。

1200円のカレーは腹ぺこのお腹にペロリと収まった。


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そこへ男の子が具合悪そうにベンチに座った。

誰かが「吐かないと(高山病は)治らない」と言っていた。

ふと、そう言えば、気分は悪くないな、と気付いた。

 

どうやら、体力もそこそこ問題なかったようだ。

とは言え、私はかなり長く休憩した。

体力の余力があるからと言って、疲れが抜ける訳ではないのだ。

 

その後、一番上の山小屋へ登った。

ここでもゆっくりを意識して、登った。 

そして、辿り着いた、本八合目の最後の山小屋。

 

記念に写真を撮った。


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九合目は2018年8月6日で。

さて、くったくたになった身体を休ませようと山小屋に宿泊を頼んでみる。

「済みません、人が一杯で…」

山小屋の受付の人が、申し訳なさそうに言った。

 

まさかの八合目までの下山である。

仕方ないと下りてみて驚いた。

あれだけ休ませろとキーキー鳴いていた身体がするすると動いたのだ。

 

登るのと下るのでは使う筋肉が違うのだろうか?

存外、直ぐに八合目まで戻れた。

早速泊まれるか聞いてみると、夕食朝食抜きで6500円と言われ、仕方なしと料金を支払って一画を確保した。

 

くったくたの身体を起こして、記事を書いている。

3000mを越えているのに、ネットが繋がることに驚く。

人間の技術の凄さに感服しながら、昨日五合目で四苦八苦して投稿が短文が少し悔やまれる。

 

深夜に、再び登り、御来光を拝む。

冒険はまだ終わらない_____


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