無農薬野菜も考えものだ。
休憩時間にちょっとしたハプニングがあった。
1時間の休憩時、2階にある食堂で軽食を食べようと工場から出る。
厳重に衛生管理されているので、少し窮屈だ。
上着や帽子を脱いでも大丈夫な食堂は気持ちも少し緩められる。
席に着き多少乱雑に実家から持ち込んだタッパーを開けた。
中身はトンカツとキャベツだ。
しっかりと揚げられたトンカツは冷めているが、じゅわっと言う音が聞こえるかのような甘味と歯応えがあり、しゃきしゃきのキャベツが口の中をさっぱりさせる。
軽食に舌鼓を打っていると、机の上で1mmのキャベツの破片が動いたように見えた。
果て、気のせいか?とよく見てみた。
青虫だった。
恐らく、キャベツに付いていたのを連れて来たのだろう。
さて、困った。一般の人も利用することがあるとは言え、食品工場の施設内の食堂だ。
衣服にでも付いたら大事だ。
こういう時に限ってティッシュペーパーが切らしている。
仕方がないから、空にしたタッパーの中に落として蓋をする。
ふと、食べ物の扱いの違いを考える。
片や、毛一本も許さない衛生管理された食品工場。
片や、青虫が付くのは美味しい証拠の無農薬野菜。
無農薬野菜も考えものだ。
これが野外なら、気付かれることなくひっそりと野に帰ったかもしれない。
青虫にとっては食品工場の施設で見つかったのが運の尽きでした。
青虫には悪いが、私の保身のために散ってもらう。
5月、春の夜の一幕。
投稿します。