ネガティブ方向にポジティブ!

このブログは詰まらないことを延々と書いているブログです。

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下唇の内側が少し切れている。

元は口内炎があったその場所を舌でなぞる。

外的な刺激で電気パルスが一瞬で脳へと走り、刺すような痛みを伝える。

 

じくじくとした痛みを感じながら、どうせ痛いなら目が覚めるような痛みが良いなと考える。

コンクリートの壁にピンクの塗料をぶちまけるような、目の覚める痛みが良い。

今の痛みは、蟻の巣の穴をほじって拡げているような陰険さがある。

 

ふと、痛みに鈍感になってはしないか?と考える。

物理的にしても精神的にしても、痛みに慣れてはいないか?

こんなもんか、と高をくくり、本来の痛みを弱くしてないか?

 

生きていく上で、鈍感になることは必要だ。

何事にも鋭敏に反応していれば、疲れ果てて何もできなくなる。

陰惨な事件や悲惨な災害の痛みをそのまま受け入れていたら、その痛みに心が蹂躙されて、壊れてしまうだろう。

 

かと言って、鈍感に為り過ぎるのもどうだろうか?

テレビの報道はすべて脚本のあるドラマで、ただの娯楽でしかない、と対岸の火事のような態度は正しいのか?

突き刺すような痛みも、私は必要だと考える。

 

下唇の内側の切れ目を再び舌でなぞる。

先ほどより弱く、然れど確かに痛みがある。

鈍感な私に、痛みは絶対に必要だ。

 

じくじくと痛みに、少し、身を任す。