しんと静かな夜は、虫の音色で深みが増す。
窓のサッシュの隙間やガラスから、冷たい空気が家の中へと忍び込む。
寝間着の上から綿入りはんてんを羽織り、のんびりと書く。
明日は2連休の予定、だった。
仕事をしている最中に工場内で一番上役の人が来て、1日休みを返上してくれないかお願いされた。
多少の無理を聞くのも社畜の勤めと、不承不承引き受けた。
しかし、1つ残念なことがある。
その返上した休みに約束、とまではいかないが、予定があったのだ。
会う所まで話しが進んでいただけに、断らなければならないのが心苦しい。
どうも、秋に嫌われている気がしてきた。
前日の記事では秋頃に風邪を拗らせ易いことを書いた。
何か、イベントや約束を何かしらの事情で反故してきたのも、秋が多い。
しかし季節で言えば、秋は2番目に好きだ。
夏の盛りが過ぎて、丁度涼しくなる頃合いが良い。
焼き芋が美味しい季節でもある。
私が秋を好き過ぎるから、秋が鬱陶しく感じているのではないか?
いや、好き過ぎる訳ではないか。
勝手に因果関係を見出しているだけに過ぎないだけだろう。
小学生の頃は、休憩時間の誰もいない教室で、カーテンで身体を隠しながら窓ガラスにもたれ掛かるのが好きだった。
外は冷気で冷たいが、日の光が丁度温かく、じっとしているのが心地良かった。
カーテンの埃っぽい匂いや火の光でじんわりと背中に伝う汗の質感は、やはり、美化されているだろう。
さて、夜は長い。
明日は休みで早起きする必要はない。
ちまちまと書くことを書いてしまおう。
しんと静かな夜に、何時の間にか降っていた雨の音が響く。
窓のサッシュやガラスにきっと、冷たい水滴が付くだろう。
のんびりと書こう、急ぐ必要は今はない。
秋の深みを数えつつ、投稿する。