歯が痛い。
下の方の左右の乳犬歯2つがずきずきと痛い。
ずきずきとこみかみ付近まで歯の痛さが侵食している。
右側の乳犬歯は、以前に治療してから幾年か経つから、合わなく成ってきたのかもしれない。
左側の乳犬歯は、最近黒い穴を見付けていたので、虫歯だろう。
似たような位置の似たような歯が似たような痛みで私を笑わす。
夕食に豪勢にステーキを食べた。
最初は柔らかい肉の旨味をじっくり味わっていた。
しかし、時間が経つに連れて固くなる肉の歯応えが、狙い済ましたかのようなタイミングで私の下の両乳犬歯にダメージを与えた。
完食はしたが、食事を楽しむ所ではなかった。
余りに痛いので、歯医者に行こうと決意する。
しかし、歯医者に行っても直ぐに治る訳ではないから、しばらくはこの痛みと付き合うことになるだろう。
無精者の私が「歯医者に行こう」と決意する程度には痛い。
上手に寝れるか、心配だ。
しかし、悪いことばかりではない。
この痛みは「もう少し丁寧に歯を磨こう」と意識することができた。
痛みのお陰で、愛媛県からの自動車運転による長距離移動で眠くならない。
歯が痛くても考えられることを発見した。
しかし、そもしっかりと対処していれば良かった。
歯磨きをきちんとできない子どものままで、凹む。
同時に歳に負けるオッサンになったようで、更に凹む。
この痛みは身体の痛みだ。
自意識の「私」が痛いと感じている訳だが、自意識の「私」は痛みそのものではない。
では、一体、この痛みは何であろうか?
新しいテーマが出たのは喜ばしい。
しかし、やはり痛いままなのは辛い。
顎下やこみかみを親指で押し、痛みの緩和を試みる。
歯が痛い。
ただただ、ただただ、歯が痛い。
なるべく早くに歯医者の予約を取ることに執心するばかりだ。