夜の10時過ぎに安曇野市唯一の宅配ピザチェーン店に行った。
今宵は両親は出かけ、私は休日だ。
よって、パーティーを独りで執り行うため、ピザを注文した。
この店の営業時間は11時まで、結構ギリギリに入ってしまって申し訳ない気持ちになった。
ギリギリまで家で寛いでいたり、ギリギリまで用事を済ますのを遅らせたりした結果がこのギリギリの入店であった。
申し訳ないと感じるのなら、最初から早め早めに行動しろ、と過去の私に届かない念波を送った。
無愛想な兄さんが無表情で対応してくれた。
見た感じ、感情が息も絶え絶えのようだ。
腹の中で腸が煮えくり返っているかもしれないが、しれっと素知らぬ顔をしてピザを受け取った。
家の明かりを着けると、愛犬がゲージで寝転がっていた。
やおら餌受け皿を取って、かなり遅めの夕食を与えた。
餌受け皿を取った瞬間に起き上がって即座におすわりをした我が家の愛犬の何と食い意地の張ったことか。
食後、長いことゲージに入れっ放しだったので、一度ゲージを開けてみた。
するりと抜け出した愛犬は、私の顔をじっと見た。
こんな夜遅くに出されて、訝しんだのかもしれない。
私はそんな愛犬にそっぽを向けると、椅子に座ってピザの入った箱を開けた。
Mサイズなので丁度夜食には良い。
頬張っていると、食い意地の張った愛犬は予想通り、私の直ぐ横できちんとおすわりした。
流石にピザを一切れあげる訳にはいかない。
記憶が確かなら、タマネギは犬に良くなかったはずだ。
とは言え、まるで与えないのもパーティー参加をしているのに気の毒だ。
そっとピザの上のコーンを床に落とす。
その期を見逃すような間抜けではない愛犬は、素早くコーンを頬張った。
コーンの皮は溶け難いが、この程度なら大丈夫だろう。
腹4分くらいの満足感にコーラを呷って飲んだ。
もうおこぼれがない、と察した愛犬は父が何時も座っている座椅子に丸くなって座った。
今、顔を上げたら、愛犬とばっちり目が合って、妙な空気になった。
今宵は両親は出かけ、私は休日だ。
一頻り夜長を愛犬と楽しむ。
コーラの炭酸が喉の奥で弾けている。
のたりのたりと過ごしながら、投稿する。