寝起きにごまスティックを食べる。
ごまの風味が口の中で広がる。
固いスティックをぽりぽりと噛み砕き、私は満足していく。
ストーブの止まった部屋は、音もなく、冷えた空気が今日も横たえている。
布団から出た上半身は、静寂な冷気に否応なくさらされている。
掛け布団の中に埋まっている下半身は、熟成された暖気でぬくぬくと温かい。
外は日が沈み始めているようだ。
窓が薄暗い部屋で浮いて見える。
さて、そろそろと出掛けなければならない。
忘れ物はないはずだ。
お気に入りのレジャーバッグに昨日と同じように詰め込んである。
最後の1本のごまスティックを口の中へ押し込む。
寝起きにごまスティックを食べた。
渇いた喉にペットボトルの緑茶が染み入る。
冴えない頭が少し、働き始める。
昨日と同じことをしている。
昨日と違うことをしている。
くらべても、大した差ではないかもしれないが、差はある。
何てことないことを書いて、何てことないままに。
何てことないことをくらべて、何てことないままに。
何てことない日常を何てことないままに。
投稿します。