お勧めされた落語をYouTubeで探した。
音源のみであったが、見付けることができた。
桂枝雀師匠の「おもいでや」だ。
ある男が、「おもいでや」という看板を掲げた店を見付ける。
冷やかしついでに中に入ると、随分と少ない。
しかも値段の付け方がどうも変だ。
立派な机が2500円で売られていた。
どう見ても2500円は安過ぎると男は感じつつ、試しに耳かきの値段も聞いてみた。
耳かきは捨て値で50万円、法外な値段に男は店主が呆けているのではないか、と疑う。
実は、この店は思い出の売り買いができる店であった。
品物を買うと、その品物に付随した思い出も一緒に買える、と言うもの。
立派な机は、小説の賞を取って気を大きくした青年が買った物だが、その後は全く鳴かず飛ばずで小説を諦めた思い出も売られていた。
では、50万円する耳かきの思い出とは一体、どのようなものであるか。
ここではこの程度にしておく。
この記事を読んで気になった方のための、万が一のオチバレ予防をしておく。
それにしても、私が気になったのは、笑うタイミングだ。
落語を聞きに来ているのだから、笑いに来ているのは分かる。
しかし、「今、笑うタイミングか?」と感じる場面があった。
テレビで立川談志師匠の特別番組があった中で、お客さんが笑いのない場面で笑われて、談志師匠師匠が気分を害して席を辞めてしまった話しが紹介された。
落語を聞いていると、今じゃないよな、と感じる時がある。
観劇するときのモラルというか、お客さんの質も高くなければならない、ということを友達が言っていたのを思い出す。
もう一席、勧められた話しがあるので、探してみる。
どんな話しなのか、とても楽しみだ。
そうそう、例え周りに人がいなくても、マナーを守って観る姿勢でいることを誓っておく。
私のあの思い出の値段は幾らになるのだろうか、と4月2日に考えた。