東を真っ正面して走る朝は、力強く眩しい。
同じ時間に出ているのに、真っ正面に太陽が来るのは、自転と公転の妙だろう。
この眩しさは、春の到来を予感させる。
しかし、仕事場の駐車場に降り立てば、うっすらと雪が降っていた。
4月8日なのに、視認するのは雪の結晶だ。
この驚きは、冬の意地を想起させる。
幸いにもまだスタッドレスタイヤだ。
幸いにも帰宅する頃には、すっかりと溶けていた。
春の陽気が勢力を増していて、冬の冷気は劣勢なのは明白だ。
しかし、驚きはまだ続く。
なんと明日の朝も雪が降るというのだ。
背水の陣を布いた冬将軍の最後の悪あがきだ。
フキノトウさえ花を枯らしている。
手前の山は幾分か緑が増えて来た。
そんな4月の上旬に雪が降る、長野県の不思議だ。
それでも何時かは冬は去るだろう。
長野県でも桜の到来はあと少しだろう。
力強く眩しい、春の到来が待ち遠しい。
不思議な國の長野県の春と冬の境目で目を細めて走る4月かな。