せっつく訳ではないが、気になる。
「お前の心理描写はぺらいんだよ」、と言った人の力量が気になる。
私の耳が悪意を持って相手の発言をねじ曲げているが、実際はもっと丁寧に言っているし、意味合いも違う。
しかし、やはり、面白くないと感じるのは私が未熟だからだろう。
未熟だから、相手の求めるレベルに達せられない。
悔しいような、情けないような、寂しいような、そんな気持ちだ。
相手は今、私のを手直ししていることだろう。
その手直したものを「これでどうだ!」と出すだろう。
私は扱き下ろしてやろうか、と腹の底の悪意が囁く。
その実、楽しみでもある。
共同作業は、妥協点の探り合いか、妥協なき殴り合いか。
私はとても、楽しみにしている。
せっつく訳ではないが、連絡を取ってみる。
きっと、嫌な顔をするに違いない。
私は悪意と共にほくそ笑んで、相手の言葉を待つことにする。