ローマは一日にして成らず、言葉を紡ぐのも毎日の積み重ねの中からしか生まれない。
二重螺旋の記憶の彼方、遠いご先祖様の魂は、私の脳髄で眠っている。
三顧の礼を尽くすにも、礼儀は忘れた、ただ会いたい人を探す。
四角四角な毎日の強制力に、怠け者の私は従いながらも、どうにか怠けられないか必死に探す。
五里霧中、嗚呼、目の前が見えない、と目を凝らすのを止めてはいまいか?
六分儀で自分の今居る地点を探るように、遠くを見なければ近くが見えない。
無くて七癖、拘り続けた私の境目は、何時の間にか滲んでしまった。
八紘一宇のこの世界で、もう一度私の境目の線を強く強く引き直そう。
九死に一生を得るように、僅かな望みを手繰り寄せ、今日も言葉を紡ぐ。
十全までまだ遠く、欠けた何かが何なのか、ぐるぐると考え、考え、考える。
1から10まで何が言いたいのか、分からない。
1から10まで何を書いたか、定かでない。
それでも1から10まで、ぐるぐると考え、考え、考えた。
きっとこれも意味はないが、多分何かの意味になる日を傍観しようと思う。