セプテンバー、あれは何だ?
オーガスト、あれは歪んだ雲だ。
セプテンバー、あれは何だ?
オーガスト、あれは名前を忘れた猫だ。
セプテンバー、あれは何だ?
オーガスト、あれは働き過ぎの電信柱だ。
セプテンバー、今は何処にいる。
オーガスト、今はそちらにあと10日ほどの距離にいる。
セプテンバー、その場所からは何が見える?
オーガスト、この場所からは君が落とした一番星が見える。
セプテンバー、時間とは何だ?
オーガスト、時間とは君と私が交錯しても続くものだ。
セプテンバー、世界とは何だ?
オーガスト、世界とは目に見えない小さき物が寄り集まってできた目に入らない大きな物だ。
セプテンバー、人間とは何だ?
オーガスト、人間とは他の動物よりも賢くて愚かで愛すべき者の総称だ。
セプテンバー、あれは雲か?
オーガスト、ああ、あれは歪んだ雲だ。
セプテンバー、あれは猫か?
オーガスト、ああ、あれは名前を忘れた猫だ。
セプテンバー、あれは電信柱か?
オーガスト、いや、あれは恋い焦がれている郵便ポストだ。
セプテンバー、今は何処にいる?
オーガスト、今は先程より君に近付いている。
セプテンバー、早く会いたい。
オーガスト、そうだね、待ち遠しいね。
セプテンバー、おやすみなさい。
オーガスト、ああ、おやすみなさい。