深夜3時、こそっと家から出た。
靴を履いてると、金魚鉢からちゃぽん、と金魚が挨拶してきた。
私は軽く会釈して、そろり歩いた。
周りは青色の濃淡で埋め尽くされていた。
星も隠れて、私も青色に染まっていた。
黒く染まらないのは、人の作った灯りのせい?
曲がり角を曲がったら、強烈な光が目に突き刺さった。
コンビニの看板と交差点の信号機、ギラギラと輝いていた。
この光は下品というべきか、ふらり誘蛾灯に誘われる蛾のようにコンビニの中へと入った。
目的の夜食を物色して、5分後、コンビニから出た。
ガランドウな駐車場を斜めに横切り、再び青色の仲間入りだ。
風がひゅう、と私の首もとを撫でて、早く帰るよう急かしてきた。
そろり歩いて、見えた自室のぼんやりとした灯り。
何故だか、ほっとする私がいた。
ずっと青色でいるのも悪くはないと考えているのに。
ちゃぽん、と律儀に金魚は挨拶してきた。
私も律儀に会釈して、家の中へこそっと戻った。
静かな青色と騒がしい人の灯り、その間を無事に歩き切った。
お腹がくぅ、と鳴ったので、一先ず戦利品を貪り食うことにした。