鼻から大きく息を吸い込む。
すると、背中に溜まっていた重たいモノが押し上がっていく感覚がある。
その重たいモノを吸い込んだ息と共に口から大きく吐き出す。
ほんの少し、身体が軽くなるように感じる。
普段から呼吸を意識している訳ではない。
呼吸が浅いのかもしれない、と息を吐き出し切って考える。
夜勤と日勤が工場の都合によってまちまちに変わる。
生活リズムはいつも同じではない。
可変変調な毎日に、息を整えることはままならない。
お陰で私の身体には重いモノが居座っている。
血の滞りのためか、疲れの現れか。
何れにしても、実際の体重より実感としては重いように感じる。
毎日のリズムを整えるのは、今の私には非常に困難だ。
とは言えこれから先、仕事を辞職したとしてもリズム良く過ごせる気がしない。
健康のことを考慮するならば、決まった時間の決まった生活習慣は重要だとは頭では理解している。
鼻から大きく息を吸い込む。
背中の重いモノが押し上がる。
口から大きく、重たいモノと息を吐き出す。
一連の動作をもう一度して、自分の身体を労い、そして誤摩化す。