来年まで残り数日、何も終わっていない。
何も始まっていないのだから、終わりようもない。
焦りは排水溝に吸い込まれて海へ行ってしまった。
来年も今年と同じく遠出できにくいだろう。
ただ、演劇関係で少し慌ただしくなる予定だ。
その演劇関係の準備が全く終わっていない。
来年に始まるのだから、焦る必要がないのかもしれない。
しかし、始まる時に何もないのはちと辛い。
休みの日を使って、人生ゲームの駒を進めるつもりで取り組んでいる所だ。
だから、本当はもっと焦るべきなのだろう。
しかし、冷えきったエンジンは一向にかからない。
何回キーを回しても、エンジン音さえ聞こえない。
やる気はむしろ満タンだ。
焦りだけ、空気中の水分に溶けてしまっているようだ。
気付けば、排水溝で流れ出しているのをぼおっと見送っている。
きっと今頃は犀川に行き着いて、そのまま海へ流れていっているだろう。
冷たい海に私の焦りが焦ることを思い出してくれたら良いのだが。
焦りの本分を思い出しても、私は遠い信濃の国にいるので、もっと焦れよと他人事のように呟くばかりだ。
来年まで残り数日、何も終わっていない。
何も始まっていないのだから、終わりようもない。
焦りは排水溝に吸い込まれて海へ行ってしまった。
さて、お茶でも飲もうかね。