山々が雲にすっぽりと覆われて、のっぺりとした灰色の空が広がっている。
雨、というには申し訳程度に1粒2粒とぽとぽとと落とすばかりで、傘が差し難い。
梅雨真っただ中、私は今日もインドアタイムだ。
元来インドア人間なので、室内で過ごすのは苦ではない。
苦ではないが、同じことの繰り返しなので、刺激がない。
ぼとぼとと降る雨粒くらいの刺激では、良いネタは浮かばない。
話の種は足で稼ぐべきなのだろうか?
それとも目を凝らし、耳を澄ますべきだろうか?
何れにしても感性の問題のような気がする。
常に何か気付けるようにしたいが、私の身体に内蔵されているバッテリーは直ぐ尽きる。
エネルギーを食う量が多いのだ。
それでいて立ち上がりのローディングもとても遅い。
このままジリ貧になるまで日々を過ごすしかないのだろうか?
湧き水のようにアイデアを渾々と溢れては来ないのだ。
制限を課さないと、閃きなど起きようはずもない。
今日4度目の空を見上げる。
相変わらず、山々を覆う雲がのっぺりと広がっている。
雨らしい雨はまだ降っていない。
溜息を飲み込んで、絶え間ない冒険の先へ想像を巡らせる。
船の舳先に足をかけ、じっと果てなき地平線の彼方を睨みつける。
そんなことを船を漕ぎ出した頭で考えて、笑う。
梅雨真っただ中、今日も私はインドアを勤しむ。