寝起き、顔中汗でびしゃびしゃになる。
顔から吹き出た粒々とした汗は流れ落ちて首を伝い、上着の襟部分を黒く染める。
まずはびしゃびしゃの顔を水で洗い流そうと洗面台へと向かう。
汗をかくとき、身体より顔の方が汗の出がある気がする。
身体も汗をかいているのだが、珠のような汗が吹き出るのは決まって顔だ。
顔がもっとも熱が出やすい体質なのかもしれない。
顔をさっと水で洗い流すだけで、大分涼しく、さっぱりする。
冬はどちらかと言えば、身体の方が汗が出ている気がする。
夏の暑さ特有の汗のかき方のようで、私にとって夏の到来を強く印象付ける。
熱中症恐怖症の私だが、つい最近までクーラーは使わなかった。
涼しくなるのは分かるが、冷え過ぎても身体に悪いから使い時を見極めていた。
梅雨も明け、じっとりとした暑さを感じて、とうとうクーラーの電源プラグをコンセントに差し込んだ。
今も顔にじっとりとした暑さを感じ、またじっとりとした汗を感じる。
汗がじっとりとしているのか、暑さがじっとりとしているのか、私には分からない。
後で洗面台へ行って、顔でも洗おうか、ちょっと思案する。
兎にも角にも水分補給、夏はこれから本番だ。