4番目。
意外とこういう説明的なのなかった気がする。
4、橋へと続く道。(昼)
日が大分昇り、西側へと伸びていた影が北側に成りつつある。
遠くには橋が見えているが、一向にその距離が縮んでいるようには感じられない。
日の照りでコンクリートも温まりじっとりと熱いくらいだ。
せめてもの救いは道沿いに映える草葉の影が一行から熱を和らげていることだろう。
一行、延々と続く長い長い道を縦に並んで歩く。
トゲ、道の上にある障害を取り除きながら進む。
3体にとって道は平坦ではなく、ちょっとした小石や枝でも十分に行き先を阻む。
トゲ曰く、ウサギはぼーっとしていて危なっかしいし、モクタンは突拍子もない動きをして怪我でもされたら面倒だ。
だから前を歩いて安全を確保しなくちゃ心配なのである。
モクタン、後ろから遠くの道を見ている。
そして、いち早く面白そうな物を発見をしてこの旅を盛り上げようと考えている。
モクタン曰く、ウサギをあっと驚かせたいし、トゲを悔しがらせたい。(トゲは別に何とも思ってはいないのだが)
この旅を愉快にできるのは自分しかいない、と思っているから一番後ろを歩いているのである。
ウサギ、トゲとモクタンの言葉に耳を傾けている。
そして、2体が仲良くなったらいいなって内心思っている。
ウサギ曰く、トゲさんもモクタンさんも良いところがあって、私はそれを知っている。
だから2体の間を歩きながら、自分がそのつなぎ役をしようと目論んでいる。
3体は3体でその胸の内は語ってはいない。
どうしてこの順番なのかとは誰も言わない。
『暗黙の了解』と言うには3体とも了解はしていないし、『なし崩し』と言うにはあまりに自然に並んでいる。
このことについて話されることは多分ないだろう。
橋は彼方で揺らいでいた。