5番目。
5、橋へと続く道。(昼過ぎ)
さっきまで晴れ晴れとしていた天気がここに来て曇り出す。
熱せられた空気も冷えて来て、風も少しばかり強くなってきている 。
トゲ、鬱蒼とした雲を見て、もし雨が降り出せばより危険が増す、 と気持ちがくすんでいき、溜め息を吐く。
トゲ もしかしたら雨が降るかもしれないな……ウサギ、この天気だと雨 が降るかもしれない。大分歩いたから疲れているだろうけど、 休憩をしなくて大丈夫か?
ウサギ 大丈夫。このまま進みましょ(微笑む)
トゲ、ほっと柔んだ気がする。
モクタン Yehー!雨の心配をしているそこのあなた!このボクが冷酷な雨 からウサギを守る雨除けを見つけたZE☆
モクタン、いつの間にか道から逸れた草間の中から出て来る。 手には何かの本を持っていて草の中から引きずり出そうとしている 。
トゲ、雨除けを見つけてきたモクタンに素直に感心する。
トゲ ほう、炭っカスにしちゃー気が利くじゃないの。ん?……!ダーッ !!
トゲ、猛然とモクタンにタックルをし、その拍子で落ちた本をすか さず砲丸投げのように生い茂る草の中へ再び投げ入れる。
モクタン オーマイガッ!ボクとウサギの雨除けがぁ!
トゲ ウルセっ!ちょっとお前こっち来い!(モクタンをゲシゲシと奥へ と連れて行こうとする)……あー、ウサギ。 ちょっと待っててくれるか?(振り返って笑顔で)
ウサギ、突然のことで何が起こったのか分からない。
ウサギ どうしたの?何かあったの?
トゲ ……まー、モクタンに話があるんだ。すぐに終わるから、待ってて 下さい
ウサギ ……分かった
ウサギ、頷く。
トゲ、モクタンと共に草の影へと行く。
ウサギ、 今日は何かが起こると予感しながら、道端の草の下へ行く。
空はより暗くなって来る。