16番目にして、ラスト。
短い、でも、これくらいの想像の余地があると良い、気がする。
好みの問題だな、ここら辺は。
16、カンランシャのカゴの中。
月は半月、それぞれの回る思いにやんわり照らしているようであっ た。
今日も何所かに向かっている。
行き先は空に浮かぶお月様、観覧車から手が届きそう。
だけど月までまだ遠くて、カゴはゆっくりと遠ざかっていく。
今日は半月を近くで眺めただけ。
月明かりが優しい空は小さな影をそっと照らしている。
観覧車は緩やかな線を描き、ウサギたちを地上に返した。
そして、ウサギの表情は何かを愛おしむように微笑んでいる。
ウサギ 次はどこへ行こうかな?
遊園地から次へ進む道のりがある。
この先にまだ物語の続きがある。
だけど、この話はここでお終い。
在り来たりな物語は、また何れかに……
了