ネガティブ方向にポジティブ!

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1492(「天空のGIFT」感想)

「天空のGIFT」の感想でも備忘録を兼ねてつらつらと書く。

私が観たのは2022年7月16日1ステージ目の公演だ。

私の主観に基づいて書くので、悪しからず。

 

全体を通した感想は

 

「ちょっと勿体ない気がする?」だ。

 

今回、ホラーチックなSFで、中々に難しいテーマで取り組んでいる印象だ。

話の構造も複雑で、現代と主人公の過去の回想、その過去の回想中にキーキャラクターの過去の回想が入る入れ子式で、とにかく切り替えが多かった。

終盤で現代と過去がクロスもして、面白かった。

 

主人公の森下さん、サクさんの現代と過去の切り替えがすごい。

しっかり現代と過去が変わったな、というのが観て分かる、すごい。

TRIBEさんの公演はサクさんを観に行っているので、これだけで大変満足だ。

 

役者で言えば。

オカルティ松本、ちんてんめいさんをほぼ椅子に座らせたまま舞台に出ずっぱりで突っ切ったのは良かった。

全体に安心を与えていた、素晴らしい仕事をしていた。

 

現代と過去の回想をやる上で他の役者陣が2役以上をやっていて大変だな、と考えつつ、役者が多いからこその群像表現は素直に良い。

やはり後ろでわちゃわちゃあるだけでもイメージし易い。

 

舞台装置は前回と比べるとシンプルだが、後方のデカい月は見事だった。

デカいは正義だな(目立つし、印象に残り易いから)。

 

さて、ここから私個人の好みになる。

照明の切り替え、現代と過去でズレているように見える所があった。

あれだけ切り替えが多ければ切り替えがズレることもあるよな、と感じつつ、合わせられたら良かった。

 

音響、今回、あんまり印象に残っていない。
前回の「ヌルイミライ」では音に焦点を当てた作品なだけあって、印象があった。

今回はそれほど作らなかった?

これは私の聞き逃しもあるかもしれないから、言及はこれくらいにしておく。

 

脚本、難しい専門用語を使う所は流石だと感じつつ。

物語の言いたいことがよく分からない。

私が馬鹿なだけかもしれないが。

 

「人類全体の目的は進歩であり、月(超知性)はその進歩した人類が生み出したもの。

超知性である月は自らを産み出すために人類を過去に送り続けている」。

 

「人類の目的が進歩」で心のシャッターが閉まった(完全に好み)が、その進歩した人類が超知性を作った、という物語の肝なので、そこは了承する。

 

だが、最後、「しかし、超知性の枠組みから外れ、「自由」になる!」で再び心のシャッターが閉まる。

物語的にテンドンをした辺りで切って落とした方が良かったのでは?と考える。

又は、最後の自由に持っていくなら、回想より未来人のやりとりというか、自由になりたいんだ!が途中で欲しかった。

 

役者で言えば。

未来人、池田シンさんの達観した雰囲気は怪しくて大好きなのだが。

一度、パニックになった相手に対してお茶目に手を振るのだけど、その手振りに違和感がある。

あの一度だけお茶目なので、それだったら全体通して達観した雰囲気を崩さない方が好み……そう、好みである。

 

全体を通して、帯に短し襷に長しの印象だ。

何ていうか、もっと面白くなる気がする公演だったから、「ちょっと勿体ない気がする?」が全体の感想になる。

 

書いてて、私の好みだな、とは感じている。

TRIBEさんは好きなのだ。

期待が私の中で大きいのも辛口になってしまうのだと感じる。

 

以上、私の感想だ。