【あなたが眠るまで。】その7

4.とおりゃんせ、とおりゃんせ 不思議と身体全体を覆っていた浮遊感はなく、地に足が着いている感触が僕を落ち着かせた。 いや、彼女の一言で僕にかかっていた霧が取り払われたから、何となくそう思えた。 しっかと真っ直ぐ立てていると言うのは、こんなにも勇気が出るものだろうか。 僕はすっと身体を天に向かって伸ばす…