曇り空、よく見れば微かに青空が透けて見える。
だからなのか、ほの暗い中に日の気配を感じる。
気分が低調な今日に暗雲は押し付けがましくなくて心地好い。
血糖値が低いのが、体感している。
身体が1秒遅れて動き出して、1秒前の場所と1秒後の場所に同時に身体があるような、解離した感覚だ。
バナナでも食べれば、幾分か変わるだろうか?
16日以降のシフトが出た。
出勤の半分が研修に当てられていた。
どうやら、昇格前に覚えなければならない仕事をこの期間に仕込むようだ。
不安しかない。
1度、仕事をやらせてもらった時は、想像よりはできそうではあった。
しかし、その時は付き添いというか、教える人がいたから、不測の事態への対応は任せられた。
急場だろうから、ある程度覚えたら、ノリで乗り越えるしかなかろうか。
大抵それで失敗しているから、ノリで乗り越えるという口の、如何に軽佻浮薄さに辟易する。
しかし、軽い私を繋ぎ止める物がない。
考え始めると、どんよりしてくる。
と、後ろから頬をさするように、風が吹き抜けていった。
気にし過ぎ、そう溜息を吐かれたのかもしれない。
両手を頭上で組んで、大きく伸びをする。
ぱきぽき、と関節が小気味良くなる。
低調でどんよりした日に響く軽い音に、私の気分と相反していて、可笑しくて笑ってしまう。
微かな青空は見えることを良しとしよう。
そう考えて、だらだらと歩く。
今日も私は私だ。
そんな曇り空の午後の一幕。