長靴を履いた猫はどんな話だったか?
確か、困っている男に猫が長靴を貰い、その足で城に行った、ような?
うろ覚えが過ぎて、最早、原形を留めていない。
仕事場で長靴が目に入って、長靴を履いた猫が頭に浮かんだ。
長靴を履いた猫が見事なタンゴを踊っている。
そうだ、黒猫のタンゴの歌があったような?
黒猫のタンゴ、タンゴ、タンゴ、烏のように黒い猫…だったか?
何か、違う。
違和感だけが主張するばかりで、何が違うのか、皆目見当が付かない。
猫ふんじゃた、猫ふんじゃた、は別の歌か。
野原ひろしは、父ちゃんか。
嗚呼、また原形が無くなっていく。
最初は長靴だったのに、長靴の要素は何処にもない。
広く、広大に、拡大していく思考に私が追いつかない。
息切れして、立ち止まる。
ふと、昔、表面や役割について考えてたような気がした。
気がしたが、荒い呼吸に飲み込まれて、分からなくなる。
何が言いたい?
長靴は…もう、忘れた。
放念自失の体で、投稿する。