夜勤明けから一寝入りした後、13時40分頃に松本のカフェで友人に会った。
しかし、友人は急な仕事が入り、私と顔を合わせて10分で帰ってしまった。
カフェに入って10分で出るのは気が引けて、珈琲とアイスを注文した。
近くの本棚に「悪文」なる本が目についた。
次いでに勉強のつもりで、最初の10頁ほどを読んだ。
様々な悪文が並べられて、私の書いている文書は大丈夫か、大変不安になった。
立体的な文章とは、何だろうか?
点Aと点Bを結ぶ言葉の構成、と言うことなのか?
「確からしいこと」を書こうとしている私には、結構重要な部分だ。
手で触れられるような質感を求めているが、難しい。
書いた当初は納得できても、時間を置いて読むと「これで良かったのか?」分からなくなることもある。
単純に文章構成が下手なだけなのかもしれないが、文章構成が下手な記事でも質感が感じられる時もあるから、私の中で答えが出ない。
この記事も、いや、今までも悪文しか書いていないのかもしれない。
読む人のことを第一に考えて書いた文章は、残念ながら存在しない。
点Aと点Bを結ぶ線Cを私は誰にも見えるようにしっかりと引けているだろうか?
手に取った本を元の場所に収めた。
本と本の隙間に押し込んで、どかっと椅子に座った。
冷め切った珈琲を飲み切って、勘定を済ませにレジへと立った。
今日は、この本を読めて良かった、と考えることにした。
急なドタキャンで予定が変わってしまっても、緩く受け止められる人でありたい。
悪文ばかり書いてしまう私であっても読んでくれる人ならば、どうして憎めようか?
喫茶店を出た。
外の日差しで思わず目が眩んだ。
空いた予定を埋めるため、後ろを一瞥することなく歩き出した。
ある午前の一幕、洒落た喫茶店での出来事だ。