ちょっと小用で母が運転する自動車に乗った。
ぼけっと後ろに乗っていると父が取り付けた機器から音声案内が流れた。
「レベル3、ステルス式移動オービスエリアです」
耳馴染みでない言葉が出て来て、きょとんとしてしまった。
え、今、何て言ったの?と戸惑っているとまた流れた。
「レベル3、ステルス式移動オービスエリアです」
間違いないなく、「レベル3、ステルス式移動オービスエリア」と言っている。
運転している母に聞くと、母は「危険予測を何だかしてくれる」とかふんわりしたことを言っていた。
いや、しかし、この単語を聞いて、何を気を付ければ良いのだ?
レベル3と言うのが一体どの程度のレベルなのかが、まず分からない。
レベル3があるならレベル1やレベル2もあるだろうが、その違いはどうなのだろうか?
そして、レベル3より高い数字はあるのか、レベル3がMAXなのか、それで意味が変わる。
ステルス式移動オービスエリア…エリアは恐らく、「ステルス式移動オービス」が近くにあることを教えてくれているのだろう。
では、ステルス式移動オービスとは何ぞや?
検索窓に打ち込んで見ると、このようなサイトを見付けた。
移動可能な神出鬼没のオービス。
大型バンの後ろから車線にカメラを向けて待機。
普通のレーダー式ならまだ事前にレーダー探知機で予測はできる。
ステルス式になると、測定時にしかレーダーを発射しない為、 ステルス対応の受信機を装備していれば事前に予測はできる。
※(レーダー)
ああ、つまり、オービスを詰め込んだ大型バンを停めて、スピード取り締まりをする可能性がある場所ということか?
ステルス式だといつもレーダーを発射していない…普通はいつもレーダーを照射しているのか?
と考えていたら、もう一つ下に別の記述があった。
移動可能な神出鬼没のオービス。
大型バンの後ろから車線にカメラを向けて待機。
光電式なのでレーダー式より危険度が高い。
※(光電管)
レベル3と言うのは移動オービスにも色々あるということか…
どちらの方がレベルが高いのだろうか…
光電管の方がレベルが高そうな記述に見える。
今はある程度調べているから、熟々と書いている。
しかし、乗っている最中は疑問符がタップダンスを踊っていた。
母は「これで何かあった試しがない」と言って溜息を吐いていた。
この案内は一体、何を気を付ければ良いのだろうか?
そも、安全運転を心がけている人ならば、不要な案内だ。
スピードを出すからオービスに引っ掛かるのであって、スピードを出さなければ何も問題がないのだから。
今一つ、私には音声案内の意図が掴めない。
今もポーンと鳴る音と共に思い出している。
「レベル3、ステルス式移動オービスエリアです」
不意打ちを受けた小用の道すがらのこと。