ネガティブ方向にポジティブ!

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【モザイク・症候群(シンドローム)】金魚島(金魚伝説〜破)

金魚伝説の謂れと、それに関わる巫女、深まる謎___

 

 

金田「金魚伝説?」

赤城「お客さん、知らずにこの島に来たの?」

梅木「知らないなら、教えましょう!」

赤城「この金魚島に伝わる悲しい恋の話をっ!」

姫恋、軽くガッツポーズでやる気を見せる。

 

ライト変わる

砂嵐のような音。

 

赤城「あー、マジ、暑い」

赤城「あーマジ、ひからびる」

赤城「あー、マジ雨振れよ」

赤城「あ?瓶(かめ)がある」

赤城、瓶(かめ)に膝をつき、両手で掬う。

赤城「これは…」

梅木「金魚」

赤城「そう、これは」

梅木「金魚」

赤城「可哀想に…川に流してやる。ちょびっとしかないけどな」

赤城、そっと歩き、川に逃がす。

赤城「達者でなー!」

梅木「金魚!」(別れを惜しみつつ)

赤城「しばらくして!」

赤城「ああ、なぁんか楽しいことなぁいかなぁ」(馬鹿っぽく)

姫恋が表れる。

梅木「金魚」(こんにちは、のテンションで)

赤城「お、ぐうかわ」

姫恋にあごクイ

赤城「お嬢さん、僕と生涯(しょうがい)を共にしませんか?」

梅木「金魚ぉ!」(喜んで!のテンションで)

姫恋、うなずく。

赤城「ヘイ、ミュージック、スタート!」

軽快なダンスミュージック。

踊る赤城と姫恋。

赤城「何て素敵なダンスだ!」

 

赤城「ぐう!」(突然、うめき声と共に膝(ひざ)をつく)

梅木「金魚?!」(あなた、どうしたの?のテンションで)

赤城「ああ、俺はもう、駄目だ」(横になる)

姫恋、陽気に踊る。

梅木「金魚ぉ…」(そんな悲しいことを言わないで、私にはあなたしかいないのに…というテンションで)

姫恋、棒立ち。

梅木「金魚…!金魚!」(待っててね、あなた。しばらく出かけるけど、心配しないでね!あ、浮気をしたら許さないから!のテンションで)

赤城「しばらくして!」

梅木「あ、薬はいらんかね!薬はいらんかね!あ、いるね!飲め!」(無理矢理飲ませる)

赤城「ごぼぼ!ううう…あれ?何か良い感じだ!」

赤城、立ち上がる。

赤城「今なら何でもできそうだっ!」

梅木「だんな!良かったですね!」

赤城「ハッハッハ!ありがとよ!」

梅木「だんな、礼なら、私じゃない」

赤城「ん?薬は薬売りの君からだろう?」

梅木「いいえ、違うでさぁ、薬は金魚の奥さんから」

赤城「金魚から!」

赤城「薬の作り方!」

姫恋、棒立ち。

梅木「金魚!」

姫恋、包丁を出す。

梅木「包丁!」

姫恋、自分の腹部にぶっ刺す(振りをする)

梅木「ぶっすう」(情感こめて)

姫恋、迫真の演技、ただし無言。

梅木「ぶちぶち」

姫恋、手に赤い物を掲げる。

梅木「肝」

赤城「そして肝を乾燥させて、粉末上にした物がこちら!」

姫恋・梅木「じゃじゃーん」

金田「貴重な2回目は効果音か」

赤城「今のは録音できたっと」

赤城「…まーさーかー!」

赤城走り、スキップし、走り、瓶(かめ)の所へ。

赤城「これは…」

梅木「そこには、腹を割かれた金魚が一匹いたそうだー。ちゃんちゃん!」

ライトが元に戻る

 

金田「それが金魚伝説?」

赤城「そう、それが金魚伝説」

赤城「「真言祭(しんごんさい)」とは11月1日、つまり今日は金魚伝説の由来の日であり、それを祝う祭りなのだー!」

金田「知らなかった」

赤城「ま、何で、今日はそこかしこで祭り祭りしてますよってことで」

金田「分かった、教えてくれてありがとう」

赤城「はい。…じゃあ蒼、行くぞ!」

梅木「いえっさー」

赤城「祭りじゃ、祭りじゃ!」

梅木、赤城「フー!」

姫恋、無言で動きを合わせる。

赤城「じゃあ、しろ、またな!」

姫恋「…さよなら」

赤城「…何々?ちょっとさびしくなっちゃった」

梅木「今日1日でしろの声を3回聞く、何かの前振れ(まえぶれ)かな?」

姫恋、にっこり笑うと、首を横に振る。

赤城「…大丈夫、私が何とかするから…」

姫恋、下を向く。

梅木「なあ彩花、鯖焼き食べよ?鯖焼き」

赤城「…良いね、鯖焼き、もちろん大根は?」

梅木「付ける!ああ、お腹すいたー」

赤城、梅木、退場

金田「ずいぶんと渋いのを食べるな…巫女さんは行かないのか?あ、喋れなかったか?」

姫恋「…やっと見付けてくれましたね」

金田「どうして俺を知っているんだ?どうして、見付けて欲しい、なんて…」

金田「お前は何で俺の夢に出てきたんだ?

金田「モザイク・シンドロームは近くに居た人間しかコピーしない。つまり、お前はあのバス事故の時、そばにいたということになる…だとしたら…」

姫恋、金田の口元を手で遮る。

金田「…何だよ、何か言えよ?年3回しか喋れないとか冗談だろ?夢の中のお前はあんなに、話しかけてきたじゃないか?!俺に何を伝えたいんだ!?」

姫恋「あなたは生きたいですか?」

金田「え?」

姫恋「今宵は真言祭。信じる言葉で真言。コトバとはコトダマ、口から出たコトバはタマシイの揺らぎ、いずれそれは真実になる。だから、私は多くを語らない。私のタマシイの揺らぎが真実になってしまうから。年に3回はタマシイの縛り。今宵は月明かり、タマシイの揺らぎと月の波長が同調し、コトバの力が勝る。故に今日は多くを話せる。真言、心魂に触れられる、今宵、真魂の力が万病を治す。奇跡の日」

金田「…何を、言っているんだ?」

姫恋「あなたも、生きたいですか?」

 

村人A、B、C、Dが登場。

 

村人A「こんなとこにいただが」

村人B「探しましたさ、巫女さま」

村人C「もう、準備はできてまさぁ」

村人D「さあ、こちらへ」

 

金田「おい、まだ話が終わって…!」

姫恋、村人たちに囲まれる。

村人A「さあ」

村人B「さあ」

村人C「さあさあ」

村人D「こちらへ、さあ」

 

村人D「…お覚悟はできておりますね?」

姫恋「…神の導きのままに」

 

姫恋「…この島のためになるなら、私はこの身を捧げましょう」

 

村人たち、姫恋、退場。

黄戸、望月、山緑、登場。

 

黄戸「…あれ半分ウソだな」

金田「ウソ?」

黄戸「「この島のためになるなら」というのは本当、だけど「この身を捧げましょう」はウソ」

黄戸「…あの女、殺されるぞ?」

金田、動揺する。

望月「…ハッ、あの村人たち、あの子の腹をかっさばく気かもね?」

山緑「いたそぉ…」

金田「それで…「生きたい」なんて聞いたのか…?」

望月「それで?どうするの?」

金田「どうするって、助けるに決まっているだろっ!」

 

赤城、登場。

 

赤城「いけない、いけない。財布を忘れた」

赤城「おっと、お客さん、まだここに?」

金田「姫恋が危ない」

金田「姫恋が村人に連れて行かれた!」

赤城「…え?!…どっちに連れられて行きましたか?」

金田「あっちへ」

赤城「!早い、まだ日も沈んでないのにっ!」

 

赤城、走り出し、退場。

 

金田「お、おい!」

 

銀、登場。

 

銀「よおう、錦、こんなところで何突っ立ってるんだよ?」

金田「…銀、もう酔ったのか。酒臭いぞ!」

銀「まぁだ酔っとらん、酔っとらんよぉ」

金田「銀」

銀「んん?」

金田「俺はこれから、あっちの山の方へ行く」

銀「何で?」

金田「…姫恋が、殺されるかもしれない」

銀「は?」

金田「一先ず、俺は山を登る。姫恋がそこにいるだろうからな」

銀「ちょちょちょっと、待ちなさい」

金田「待たん、一刻を争う」

 

金田、黄戸、望月、山緑、退場。

 

銀、iPhoneを出す。

上手から時雨が登場。

 

銀「非常事態です」

時雨「どうした?」

銀「金田が祭りの妨害をしようとしている」

時雨「あら、そう」

銀「あらそうって…いや、計画じゃあ、巫女さんの血が本当に万病を治すのかを検証するって話じゃないですか?」

時雨「別に、そこは大した問題じゃないわ」

銀「は?」

時雨「姫恋の血液の実証(じっしょう)サンプルとなる被験者は他にたくさんいるわ。必ずしも金田錦でなくても良いのよ」

時雨「それに、金田錦には金田錦として利用価値があるわ。モルモットとしてね」

時雨「私としては…折角のモルモットを手放したくないもの」

時雨「姫恋白の血液はどうにか手に入れて。引き続き、金田錦を監視してちょうだい」

時雨、通話を切って、退場。

 

銀「人の事を何だと…」

銀「…おーい、錦、待ってーなー!」

銀、退場。