朝、シャワーを浴びた。
細い髪の毛についた脂の汚れを落とした。
皮膚の引っ掻き傷に水の粒が伝っていった。
ふと、シャワーから出る湯の温度が一定なことに思いが及んだ。
ガスで温められた湯がシャワーヘッドから出てくるのだが、ずっと同じ熱さなのが不思議に感じた。
水を熱し続ければいずれ沸騰するはずだし、熱するのを止めればいずれ冷たくなるはずだから。
同じ温度で保つために熱いのと冷たいのを混ぜているのだろうか?
温度調節で捻れば、上げたり下げたりできる。
文明の恩恵に無条件に与りながら、シャワーを浴び続けた。
何時間でも、きっと変わらない温度なのだろう。
ずっと変わらない温かさで私を包んでくれる。
人も、ずっと変わらない温かさだったら良いのに。
シャワーの変わらない温度に想いを寄せる朝かな。