無事、共演を果たした。
時間で言えば、6分くらいらしい。
とにかく、一安心した。
「ナナシノエイト“名も無きオープンマイク0 松本編”第8夜」に参加した。
初めて参加したのが、今年と同じように暑い去年の夏、もう1年が経った訳だ。
そして、長野市の朗読家、植草四郎さんをお見かけしたのは、3月のナナシの0だったように記憶している。
あの頃は、まさか本当に共演まですることになるとは、夢にも思わなかった。
この記事に、当日のパフォーマンスを簡潔に記す。
何か思考するときの役に立つことを願って。
まず、オープンマイクの一番手に挙手した。
今回の構想は、観客を巻き込んでする方向だったので、なるべく観客が多い序盤でやろうと植草さんと相談して決めた。
普段は中盤から後半から参加するので、嫌に怖かった。
舞台装置として、フットシート、傘、フェルト布を、赤と青それぞれ一つづつ用意した。
対決の構造様式であったため、赤青で分けてみたのだ。
また、名前が分からなくても、赤の方の人、青の方の人と初見の人にも視覚で捉えられるようにとの考えもあった。
私は更に青のレインコートを着て、より分かりやすくしてみた。
(ただ、レインコートを含めて色分けについては、説明をしていなかったため、後に説明したときに「分かりづらいよ」と言われた。反省)
因みにすべて100円均一ショップで買った。
導入、司会進行としてちくわと油揚げが闘う旨を簡潔に伝える。
そう、ちくわと油揚げの闘いなのだ。
この部分だけ聞くと、謎だし、共演の話の流れを聞いたとしても、やはり謎だろう。
ただ、何かしら関連付ける必要はあると考えた。
そこで、ちくわ=カマボコの仲間=海の物、油揚げ=豆腐の仲間=山の物として、海と山の物の戦いと位置付けてみた。
互いの手には現物がある。
即ち、植草さんの手にはちくわ、私の手には油揚げがある。
これは、対決をする上で、現物があった方が面白いと考えて事前に植草さんにはちくわを用意して頂くようお願いしていた。
私も油揚げを用意した。
一応、宣伝も兼ねて自分が働いている食品工場の油揚げを用意しようと考えていた。
しかし、何故か以前は置いてあったコーナーになく、仕方なくA4サイズの下敷きのような大判の油揚げを買った。
大判にした理由は、舞台上なので大きい方が良いと考えたためだ。
「先攻、ちくわ」と宣言して、植草さんと交代。
流石、歴戦の朗読家、声の張りが違う。
出だしに「ちくわ侍」を名乗って不届きな油揚げを成敗するとしたのは、対決色を際立たせて、良かった。
植草さんには、3分でのパフォーマンスをお願いした。
全部で8分のマイクパフォーマンス、お互いにパフォーマンスをすると、1人3分前後が限度だ。
その3分間で、短い詩を次々と目まぐるしく読んでいき、観客を沸かせた。
夏休みということなのか、小さいお子さんもいたのだが、その子も笑っていて、共演できたことを嬉しく感じると共に、緊張が高まった。
植草さんのパフォーマンス後、再び、私が前へ。
「後攻、油揚げ」と宣言して、パフォーマンスをした。
以下に私が喋った内容を記述する。
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ちくわに勝つ。
戯れ言を一つ。
油揚げは、キツネの好物と言われている。
その昔、京都伏見稲荷大社、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、通称、稲荷大明神の使いとしてキツネは神格化され、五穀豊穣を願って狐穴に鯨油で揚げた油揚げをお供えしたのが始まりとされている。
何故、油揚げなのか?
実は、油揚げはあるモノの代替えなのだ。
それは…ネズミである。
油揚げはネズミの代替えなのである。
キツネが神格化した背景の一つに、畑を荒らすネズミを食べてくれることが上げられるが、神仏習合された日本で、殺生は禁じられていた。
そこで、お米を詰めた油揚げをネズミに見立ててお供えしたのだ。
代替えするために油揚げはあるのだ。
(油揚げを出す)
ここにも油揚げがある。
この油揚げは、何の代替えなのか?
心臓をえぐる短剣か?
吾を写す鏡か?
それとも、神宿す供物か?
今、ここに油揚げを掲げる!
ミケツノカミよ、今宵この油揚げに力を与え給え!
(奇声を上げる)
__________
大体、2分程度の内容に収めた。
ここまで、噛まずに言えたことは良かった。
それで、そのまま観客にどちらか良かった方に拍手をするようにお願いした。
一拍置いて、「先攻、ちくわ」と聞くと、疎らに拍手が起きた。
次に「後攻、油揚げ」と聞くと、万雷の拍手が起きた。
それを受けて、私が「勝者、油揚げ!」と宣言し、植草さんは倒れ、私は油揚げを掲げて勝利のポーズを取った。
一拍置いて、「以上で終わりです」と終了を告げた。
しかし、この結果は意外だった。
植草さんのパフォーマンスは素晴らしかった。
単純にパフォーマンス力で言えば、植草さんの方が圧倒している。
だが、拍手を多く貰ったのは、油揚げ、つまり私の方だ。
片付けをしているときに、MCが小さいお子さんに感想を聞いていたが、「面白かったのはちくわ、拍手をしたのは油揚げ」ということが分かった。
面白かったのなら、ちくわを拍手するものではないだろうか?と不思議に感じた。
ナナシノエイト終了後、感想を聞いて回った。
MC兼朗読家のGOKUさんに聞くと「上手いのは植草くんだけど、あの場では小枝(仮称)さんの方が良かった。上手いこと、面白くともそれを上回るものがある」とのこと。
深過ぎて、分からない部分があるが、ライブでの臨場感は重要なのかもしれないと自分で納得している。
(後日、植草さんがツイキャスで、「絶対勝っていると思った」と悔しがっていることを又聞きで聞いた。気になり過ぎるので、録音があれば探して聞きたい)
また、女性の観客に話を感想を聞いた。
私が硬い言葉を使っていたことを心配していることを伝えると、「小枝さんは、声の調子やトーンが柔らかくて、硬い言葉を使っても面白く聞こえる」と言われた。
初めてオープンマイクで詩を発表した時にも「声の通りが良い」と誉められたことを思い出す。
どうやら、私の声は不真面目にできているらしい。
以上、感想も含め、パフォーマンスの記述を終える。
簡潔に書くと言って、それなりの分量になってしまった…
振り返ることがあれば、読めるようにしたいので、タイトルに(ナナシノエイトのパフォーマンスについて)と追記する。
投稿します。