喧しい夜の静けさに私の心臓の鼓動が鳴り響く。
草葉に潜む虫たちの寝息は、冷ややかな空気と共に私の肺へと吸い込まれる。
日を跨いだことに、気付いてしまった。
編集オプションを開いて、投稿日時の日付を「8月30日」から「8月29日」に変え、そのまま投稿する。
急いで下にスクロールして、バッと継続期間の見る。
プロフィール欄の1行目に「最終更新: (継続期間: 606 日)」と表記されるのを見て、身体を強張らせていた緊張は風船の小さな切れ目から空気が出るように、抜けていった。
体裁はどうにか誤摩化すことができた。
何も知らない人は、「606日も継続しているのか」と感心するかもしれない。
何も知らない人は、私がズルをしたことに気付かないかもしれない。
何時かは、やらかすとは考えていた。
4連勤あった日勤を勤め上げて、気が抜けたのは認める。
不思議と、胸には安堵感のようなものを感じていて、拘っていたことが私に多少なりとも負担になっていたことに気付けたことは、不幸中の幸いだ。
ここからだ、気持ちの切り替えが必要だ。
途切れてしまったのは、途切れてしまったのだ。
また一から積み重ねれば良い、それだけのことだ。
「また一から積み重ねれば良い」、それだけのことが大変に重い。
ここまで605日は嘘偽りなく、毎日投稿して来た。
そこに嘘が交じる、多分、私はしばらく私を責めるだろう。
「日を跨いでも「継続期間」が継続できる仕様なのだから、時間を気にしなくても良い」と甘んじるつもりは毛頭ない。
甘んじてしまえば、ずるずると先延ばしていくのが火を見るより明らかだからだ。
気持ちの立て直しが急務で、猛省しなければならず、これからも日を跨ぐ前に投稿することが肝要だ。
2周年を目前にして、継続を途切れる。
何か、むしろ私らしいな、と逆に落ち着いてきた。
何処かへ身を潜めていた緊張を丁寧に背負い直す。
拘ろう、私よ、嘘も吐いても拘ろう。
元より私の為の継続だ、清濁併せ呑んで突き進もう。
誹謗中傷非難批判、これからずっと後ろ指を指されたとしても、「継続する」ことに拘ろう。
喧しい夜の静けさに私の心臓の鼓動が鳴り響く。
草葉に潜む虫たちの寝息は、冷ややかな空気と共に私の肺へと吸い込まれる。
凹む私も、込み上げる気持ち悪さも、明日へと持ち込む。
泣きたい気持ちをぐっと堪えて、投稿する。