ネガティブ方向にポジティブ!

このブログは詰まらないことを延々と書いているブログです。

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Twitterを眺めていると、時折、現代詩が流れてくる。

「Crossroad of word」というブログに現代詩が載っているのがTwitterにも流れてくる。

恐らく、「Crossroad of word」の管理人がTwitter上にも載せているのだろう。

 

私はそれを時折、眺めている。

そうして読んでいると、知らない漢字が出てくる。

今回は、下記の現代詩で幾つか知らない漢字が出てきた。

 

wordcrossroad.sakura.ne.jp

 

パン

パンをつれて、愛犬のパンザをつれて
私は曇り日の海へ行く

パン、脚の短い私のサンチョパンザよ
どうしたんだ、どうしてそんなに嚏をするんだ

パン、これが海だ
海がお前に楽しいか、それとも情けないのか

パン、海と私とは肖てゐるか
肖てゐると思ふなら、もう一度嚏をしてみろ

パンはあちらへ行つた、そして首をふつて嚏をした
木立の中の扶養院から、ラディオの喘息持ちのお談議が聞える

私は崖に立つて、候兵のやうにぼんやりしてゐた
海、古い小さな海よ、人はお前に身を投げる、私はお前を眺めてゐる

追憶は帰つてくるか、雲と雲との間から
恐らくは万事休矣、かうして歌も種切れだ

汽船が滑つてゆく、汽船が流れてゆく
艫を見せて、それは私の帽子のやうだ

私は帽子をま深にする
さあ帰らう、パン

私のサンチョパンザよ、お前のその短い脚で、もつと貴族的に歩くのだ
さうだ首をあげて、さう尻尾もあげて

あわてものの蟹が、運河の水門から滑つて落ちた
その水音が気に入つた、――腹をたてるな、パン、あれが批評だよ

三好達治
測量船」所収
1930

 

まず、「嚔」が読めなかった。

こんな難しい漢字を使うような動作を犬がするのだろうか?

口へんで調べてみると出てきた。

 

「嚔」と書いて、「くしゃみ」と読む。

まさかくしゃみに漢字があったとは、知らなかった。

今後使うことはないだろうが、くしゃみにも漢字があることは覚えておこう。

 

 次に「肖てゐる」が読めなかった。

「不肖」と読むのは知っているが、これ単体の意味は知っていた訳でない。

「不肖」と書いて、「不」を消して、調べた。

 

肖てゐる」と書いて、「にている」と読む。

「似ている」と同じ意味だったとは、知らなかった。

形とるという意味もあるらしい、不肖は似ていないということなのだろうか?

 

最後に「艫」が読めなかった。

「艫」を憶測で「ろ」と読むだろうとは考えていた。

船へんで調べると出てきた。

 

「艫」と書いて「へさき」と読む。

船の前の方の部分、船首のことだ。

そして、やはり「ろ」とも読むそうだ。

 

「嚔」、「肖てゐる」、「艫」、どれも読めずにいた漢字だ。

そうして、誰も使わなくなっていく漢字だろう。

もしかしたら、誰かが使うかもしれないが、それは誰かは分からない。

 

一つ為になった、と言いながら、そっと画面を閉じた。