着慣れない黒のスーツを着て、今、地元穂高にある、穂高神社参集殿に来ている。
今日は、妹と婚約者とその両家の家族写真撮影だ。
昨今、披露宴、結婚式をしない人たちが主流になっているように感じる。
お金をかけて式を上げるよりも、式を上げずに先々のために貯金する、堅実で質素な考え方は、現代の人間らしい考え方だろう。
妹も現代っ子らしく、結婚式は上げない。
母は、それでも、妹の晴れ姿を見たいと切願し、無理言って、家族写真撮影をさせてもらうことになった。
鏡に映る、スーツに着られている子どもにしか見えない私は、滞りなく進むのか、妙な緊張と心配で手を揉む。
今日は、石川県に住んでいる姉が昨日の深夜に長野県入り、朝から妹の支度の様子を母に代わって撮影しているようだ。
支度に時間がかかるようで、待合室で待つようお願いされる。
しばし、婚約者の母と我が家の母は歓談して、首を長くして待つ。
父と私は、所在なくあちこち歩き回る。
1時間くらいして、二階から妹と婚約者が階段を降りてくる。
姉も私も手持ちのカメラで撮りまくる。
カメラマンさんも容赦なく撮りまくる。
穂高神社に移動中を撮り、鳥居の前で撮り、本殿の前で撮り。
家族全員で撮り、姉妹で撮り、両親で撮り、妹一人で撮り。
とにかく、撮って撮って撮りまくった。
これだけ撮ったのに、今度は白無垢を羽織って、まだ撮るらしい。
婚約者の母は、疲れてしまっていた。
私も足が重くなったが、夜勤明けで寝てない性か、逆にハイテンションで、この後が怖い。
終わるのが、15時過ぎになりそうだ
そうすると、昼食は外食するには微妙な時間帯になりそうだ。
ただ、妹がとても幸せそうに微笑んでいる。
多少の疲労も、秋の日差しと、優しい幸せの中でゆっくり溶けていく。
(写真は、白無垢の妹、よく晴れて良かった。14時前にすべて終わった)
今日はとても、とても善き日だ。
投稿します。