ネガティブ方向にポジティブ!

このブログは詰まらないことを延々と書いているブログです。

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ざりざりと、凍った道路を走る。

雪を何度も踏み固めた轍の中の、タイヤの溝で固められた氷を、巨人が木造建て一軒家に足をかけるように、踏み潰す。

冬の朝の、とある一幕だ。

 

氷を砕く音というのは、小気味良く、童心を呼び覚ます。

氷を砕く音は、どうしてこうも、胸踊るのだろうか?

寒い冬の朝の、宝石のような氷を、最初の一歩で踏み砕く、その瞬間の特別な音だから、と私自身に当てはめる。

 

同じ冬はない、同じ朝はない、同じ氷はない。

なのに、冬の、朝の、氷の音は、いつも特別な瞬間を私に聞かせてくれる。

飽きる日は、来るかもしれないが、来ないかもしれない。

 

晴れが続けば、鳴り止む、氷の道だ。

晴れが続けば、忘れる、氷の音だ。

そんな氷が啓蒙する、私に問いかける。

 

最初の一歩は、何時だって特別だ。

最初の一歩を、あなたは踏めているか?

きっと身が震えるのは、寒さだけではない。

 

ざりざりと、凍った道路を走った。

私の横を通り過ぎた氷の音は、振り返れども、何処にもない。

ただ、通り過ぎた道の上に、砕けた氷の破片が、ばらばらと散らばっているばかりだ。

 

2018年、最初の一歩に惑った話だ。