詳細は省くが、何もなかった。
本当に何もなかった。
詳細は省くが、兎角、何もなかった。
よれよれになった身体をよろよろと動かす。
何もなかったなぁ、と呟きながら。
しかし、妙に多幸感はあるので、呟く声は浮わついている。
「何もなかった」のなら、詳細も何もありはしないじゃないか、と言う人もいる。
しかし、何を以て「何もなかった」としているかは、結句その人の捉え方次第だ。
私次第、あなた次第で変わる事象をそれとなく言葉にするか否かの話なのだ。
そして、今回の私はよれよれなので、ウサギが「只今、休憩中」と書かれた木札を持ってにこにこしながら野原を歩く様を見ている時のような、何もしたくない心地なのだ。
なので、私は頑として書かない。
強いて、一言にして言えば、何もなかった、それだけのことだ。
詳細は省くが、何もなかった1日を、見送る。