毎回、仕事が終わった後の休日は、風呂に入ろうと考える。
まず、身体を清めたい、と一心に考える。
家で荷物を置き、ご飯を食べている間も風呂に入ろうと考える。
しかし、布団の敷いてある部屋に入り、ドカッと座ると急にぼんやりしてくる。
後少し、後少し、と座り続けていると、段々と眠くなる。
気付けば、横になって、だらだらし始める。
横になってだらだらし始めると、今度は寝たくなる。
のろのろと起き上がって、寝間着に着替え、もぞもぞと布団に潜る。
そこからスヤスヤと寝始めて、1日が終わる。
最初の「風呂に入ろう」と考えていた私は、ものの数秒で脳内からすっぽり抜け落ちる。
アトピー性皮膚炎だから、清潔にしないと痒みで引っ掻き傷だらけになるのに。
私の中の睡眠欲の派閥の何と強いことか、私の脳の中枢に多大な権力を発揮している。
今しがた起きて、じっとしていると、皮膚の内側がもぞもぞと動き出す。
痒みのデモ行進で私に現状の悲惨さを訴えてくる。
そうして、毎回、次の休みこそはまず風呂に入ろう、と考えるのだ。
いや、考えるだけでなく、実際にそうした行動に移せるように仕組み作りをしなければならない。
どう考えても、布団のある部屋に入った瞬間にぼんやりしてしまう。
ぼんやりしないためには、そも、部屋に入っても座らない工夫が必要だが、果たしてそう上手く行くだろうか?
考えてみて、実はそれほど悔恨の念には駆られていない。
痒みが映画館の上映の最中、大声で騒ぐ子どものような、煩わしさがある。
しかし、この痒みはきちんと清潔にすれば良いだけだ。
逆に言えば、寝て起きてから入れば良いだけだ。
今から用意するのが料理の最中にマヨネーズが切らしていることに気付いて、スーパーに買いに行かねばならないような、煩わしさがあるだけだ。
しかし、用意すれば、後はのんびりと過ごせる。
仕組み作りはまた今度にしよう。
まずは、さっぱりとしたい。
今から面倒だが、シャワーだけでも浴びよう。
後回しにして、結句、仕組み作りはしなそうな確信があるが、勿論、棚に上げる。
良いのだ、本当に困ったら、棚から下ろせば良いのだから。
自分の欲求に素直であることは良いことだ。
たらたらと不精の言い訳をしながら、投稿する。