山は巨大だ。
僅か1mと少しの人間に対して、3000mもある山の連なりは、巨大だ。
その巨大な山の連なりをすっぽりと覆う雨雲は如何ほどか。
己の小ささに巨大な物への畏敬の念を抱かずにはいられない。
自然の巨大さは、小さな私など気にしないだろう。
しかし、あの巨大な物も、小さな物の集まりであることを、私は知っている。
山の緑は、木々の葉の1枚1枚の集まりだ。
葉の大きさは、私の掌に乗るくらいの大きさだろう。
それが途方もない、幾千万、幾億枚と集まって、山の緑となる。
雨雲は、水蒸気の1粒1粒の集まりだ。
水蒸気の大きさは、私の指先に乗るくらいの大きさより小さい。
それが果てしなく、最早、数えることさえできないくらいに集まって、山を覆う雨雲となる。
この私も、1つ1つの細胞の集まりだ。
その細胞が肉となり、骨となり、血となる。
その1兆は優に超える細胞が集まって、巨大で小さな私となる。
あの山も、あの雨雲も、小さき物の集まりだ。
この私も、あの人も、小さき物の集まりだ。
それらが集まった物が、地球だ。
この宇宙の広大さも、目に見えないくらい小さな物の集まりなのだろう。
目に見えない小さな物が、あの夜空に輝く星をも飲み込む宇宙へと変わるのだろう。
その小さな物へ、巨大な物と同じように、私は畏敬の念を抱く。
小さき物、侮ることなかれ。
巨大な山の連なりと、それをすっぽりと覆う雨雲を見やり、自戒する。
小さき物、侮ることなかれ。
山を見て感じたままに、投稿する。