ネガティブ方向にポジティブ!

このブログは詰まらないことを延々と書いているブログです。

463

西に夕陽が沈みゆく。

地平には赤紫の雲が、天空には明るい水色の空がある。

その境目、界面に柔らかいアイボリーの層があり、赤紫の雲と水色の空を見事に分け隔てている。

 

強く鋭い西日が私の網膜に刺さる。

自動車のサンバイザーを開いて、光を遮る。

キラキラと輝く光の粒は次第に弱まり、代わりに外灯の光が強くなっていく。

 

ガードレールの茶色い錆びは、夕陽の中で色濃く映える。

補修途中のコンクリートのひび割れの1つ1つは、より深く傷を抉られる。

ススキが影に手招きして、刻一刻と夕から夜へと模様替えをしていく。

 

ハンドルを握る左手の甲に青い血管が浮き出る。

夕陽に向かって真っ直ぐ走っていて、郷愁に駆られる気がする。

あの錆びもあの傷も、ぼやけた空のような思い出と重なるからだろう。

 

西に夕陽が沈みゆく。

私の人生でこれまでに1万回以上、これからも1万回以上、同じように。

西に夕陽が沈みゆく。

 

夕陽の群像を見送った、休日初日かな。