細やかな言葉の編む毎日だ。
子々孫々と受け継がれて至った今日だ。
進み続ける私たちの希望や絶望は、すべて未来にある。
せせこましく、私は私の脳を働かせる。
そそっかしいから、何かを間違える。
正しいのかどうか、立ち止まる毎日だ。
遅々として私は私のままだ。
津々浦々と全国各地へ行ったが、私は私のままだ。
手々を繋いで歩いた何も知らない幼い私が、独り、何も知らぬ顔して至った今日だ。
整った道の区間は然程なく、荒れ果てた獣道を歩く時間は果てしない。
名無しの案山子は朽ち果てても、己の仕事を全うしようとしている。
二人三脚、転べば諸共、誰かと生きる喜びと悲しみは、すべて未来にある。
ぬぬ、これで良いのだろうか?
ねね、これで良いのでしょうか?
NO、NO、否定されても仕方ないとしか言えない。
母なる海に還りたい。
日々、細やかな言葉を編みながら願う。
ふふ、と笑ってしまうのは、母なる海に還っても、細やかな言葉を編む毎日は変わらないだろうことが、容易に想像できるからだ。
へべれけになりながら、何時もの時間にいつものように寝て起きる。
微笑ましい子役のあの子は、何時に寝て、何時に起きるのだろうか?
ままならないままにまた私は今日を終わらす。
耳をよく澄ますと、遠くで影が崩れる音が聞こえる。
むむ、何かも一緒に崩れたようだ。
目々を閉じた幼い誰かが、独り、取り残されたのだろう。
細やかな言葉の編む毎日だ。
子々孫々と受け継がれて至った今日だ。
進み続ける私たちの希望や絶望は、すべて未来にある、未来にあるのだ。
嗚呼、愛おしき毎日よ、さようなら、そして、こんにちは。