ネガティブ方向にポジティブ!

このブログは詰まらないことを延々と書いているブログです。

917(落とし穴)

落とし穴、落として、落とし穴。

私の愛しい我が子の首が堆くウズタカク積まれている。

誰がアノ子の首を落とした?

 

転がり落ちて、落とし穴、落として、落とし穴。

私の恋しい恋人の手首がぐずりぐずりと積まれている。

誰がアノ人の手首を落とした?

 

山は真っ白、空も白く、息も白い。

なのに私の足下は黒い黒い染みしかない。

落とし穴、堀ったのは誰、落とし穴。

 

嗚呼、そうか、この穴は、呪われている。

急き立てるように、無自覚に無邪気に無責任に急き立てる。

誰がアノ穴を掘ったのか?

 

答えはずっと私の足下に。

誰がアノ子の、誰がアノ人の、誰がアノ穴を。

ごろん、と落ちた、私の足下へ。

 

落とし穴、落として、落とし穴。

黒いと思った染みは、よく見れば、赤かった。

誰も救われない、赤い赤い染みだった。

 

山の白さよ、空の白さよ、息の白さよ。

堆く、ウズタカク積もり給え。

ぐずりぐずりと積もり給え。

 

そして、染みが見えなくなって、忘れてしまおう。

春まで、春までの間だけ。

春になれば、白い白い纏いは。

 

落とし穴、落として、落とし穴。

次の冬が来るのを急き立てて、待つ。