自分の殻を取っ掛かりに考えた。
いつもの如く、質問箱に質問が届く。
今回は、「自分の殻を破るにはどうすれば良いか?」とするものであった。
割りと真剣に考えてみた。
自分の殻を破る、現状に不満があるから変えたいのだろうか。
自分の殻を破るには、行動しかない。
今とは違う、殻を破り、生まれ変わった自分になるための行動を起こすのだ。
例えば、「今までしてきた選択の逆を選ぶ」は殻を破るに良いかもしれない。
今までの自分だったら選ぶ選択とは逆を選べば、今までとは違う結果になるのは容易に想像できるだろう。
道を曲がる時に右をいつも選ぶのを、逆の左に進めば見える景色は違うだろう。
ラーメン店で注文するとき、「ラーメンを注文する」の逆で、ラーメン以外を頼めば、意外な発見があるかもしれない。
自分の殻を破るとは、今までの選択とは違うことをすることだから、「今までしてきた選択の逆を選ぶ」は道理に敵っているのだ。
「ハードルをとにかく低くする」も良い。
自分の殻を破りたいのに破れない、そうした負の体験が根強いのは分かる。
まずは自分でも確実にできることから行動にする。
ハードルをバリ低くするのは、心理的ハードルを下げる効果もある。
挨拶ができないなら、まずは鏡の自分に挨拶する。
次に人形とか動物に挨拶する、家族でも良い。
その次にお隣さんに会釈する。
その次に小声でも「おはようございます」と言う。
一個一個、確実にできることから。
そうすれば、何れは殻を破れる。
「ハードルをとにかく低くする」は有効だと考える。
「その道に精通している人に教えを請う」も良い。
成りたい自分像があるなら、その成りたい事柄に精通している人に師事するのは具体性がある。
自分一人で空回っているより、知っている人に一から聞いた方が早い。
三年かけて良師を選べ、という格言がある。
自分が求める成りたい自分に成るためには、適当なことを言う奴、洗脳して騙そうとする輩を師事しては、殻を破ることには成り得ない。
その道に精通していること、そういう人物を探し見付けるのは殻を破る第一歩になるかもしれない。
「その道に精通している人に教えを請う」のは良い案だろう。
さて、ここまでのらりくらりとくっちゃべっていたが、私自身で言えば、未だに殻を破れずにいる。
過去に自分の殻を破ろうとブラジルまで飛んだが、「自分は変わらない」という絶望を思い知らされただけであった。
その一度だけでなく、殻を破れずに幾何度も人生の軌道修正をしてきた。
私は筋金入りの殻篭りだ。
だから、この質問には本当は答えるべきではないかもしれない。
殻を破ったことがない人間が、殻を破ることを言った所で誰の心も震わせられない。
自分の殻を破ろうと奮闘する人に、私は自分にない輝きを見付けてしまい、眩しく感じて仕方がない。
足掻くあなたは素晴らしい。
どうかあなたは羽ばたいてください。
私は殻を身に纏ったまま、地の上からお見送り致します。