生まれ変われるとしたら、何に成りたいか?
数ある在り来りな質問の1つだ。
転生物がライトノベルの代表ジャンルになる位には、1度は考えること事柄だ。
この質問は人間か、それ以外かの2択とも言える。
もっと言えば、もう1度人生を謳歌したいか、絶望しかない人生より別の逃走の道を選ぶかの2択ではないだろうか?
などと、そこまで深く考えて答える人もいないだろう。
して、私は生まれ変われるとしたら、何に成りたいか。
悩ましい、私は何に成りたいのだろうか?
徳を積めば仏さまに成れるらしいが、現世で私が積んだ徳など、世界中の人間が行う善行の頻度と同じで、つくしの背比べで多少の差を見出せるかどうかのレベルだ。
仏さまに成れないのなら、人間に成れるのだろうか?
しかし、悪行もそこそこにしているので、減点方式なら間違いなく人間には成れない。
そも、今のスペックより良い人間に成れるかどうかなんて保証はない。
人間に成れないとするならば、私はミル貝に成りたい。
ミル貝は160年の寿命らしく、その間、浅瀬に深く潜ってじっとしている。
ずっとじっとしていて良いなんて、素晴らしい、私はミル貝に成りたい。
しかし、ミル貝は食べると美味しい。
漁師にデカい網で砂ごと掬い上げられて、海鮮料理のネタにされる運命が待ち受けているかもしれない。
出来れば、深海の底でじっとしていたいが、そんな生物はいないのか、はたまた居るけど私が見付けられていないだけなのか、私は知らない。
ふと、そも私は生まれ変われるのか、疑問に感じる。
死んだらそれっきり、もう2度とこの世界で「生きる」ことが叶わない、そんな想像をする。
どちらかと言えば、この考えの方がしっくりする。
身体が何時までもその場に留まらず、腐敗し、何れ土へと還る。
生まれ変わりとする、霊体が何時までも同じ状態で在り続けると考えるのは無理がある。
前世の記憶が持ち合わせている人が極少数で、生まれ変わる前の記憶など持っていない。
故に、この質問の私の回答は、こうだ。
生まれ変わりについては、老後の宿題にさせて欲しい。
今の私では未熟過ぎて、何に成りたいか、選ぶ権利がない。
難しく考え過ぎなのも、分かっている。
分かっているが、どうにも生まれ変わった「私」が掴めないから、こう成らざる得ない。
特にオチもなく、このまま投稿する。