使い古されたであろう夢を見た。
夢の中で見たことがある風景と流れであった。
世界観の使い回しをしているように感じながら、夢から覚める。
夢の始めは、仕事の休憩でぶらぶら歩いている所から。
緑の床の、天井の高い、工場のような場所だ。
私は休憩から戻って、ベルトコンベアの終点に立った。
ベルトコンベアの先は霞むほど遠い。
そのベルトコンベアに運ばれて、大小様々な筆が流れてくる。
私はそれを手に取ってまとめようとするのだが、今一つやり方が分からない。
近くに居た眼鏡の従業員に「済みません、どうすれば良いのか分かりません」と言った。
すると、その従業員は「どうして分からないんだ!」と怒鳴り、そも、休憩から戻ってくるのも遅いことなどを含めて叱責しているようであった。
侮蔑を込めて唾を吐きかけられた後に「どうしてお前は生きてるの?」と聞かれたので「さあ、どうして生きているのでしょうね?死んだ方がマシでしょうに」と返した。
私の返事がどうも予想外だったようで相手は面を喰らって「お、おう」みたいな反応になった。
その後、何かぶつくさ言いながら、その場を去っていった。
私は元の持ち場に戻るのが馬鹿らしくなって、そのまま飛び石の、天上のない、ベルトコンベアの前から離れていった。
何かのテーマパークのような場所を歩いて、一つの店に入った。
西部劇に出てくるような立ち飲みスタイルのカフェで、私はふとカウンターの上にあった本棚の中に手を伸ばす。
そこに猫のイラストをあしらったメモ帳があって、売り物なのかな?と見ていたら、「済みません、それは店の記録するもので、売り物ではありません」と若いギャル風の女性店員に笑顔で断られる。
私は棚に戻して、今度は一冊の本を手に取った。
女性店員は「その本、オススメですよ」と言った。
そうなのか、と思って、夢が終わる。
どういう意味があるのかさっぱり分からないが、よく記憶に残る夢は売り買いするような場所が多い気がする。
そして、ひたすらに歩く夢が多い。
運動不足を夢が示唆しているのだろうか?
世界観は使い回しなのだが、この世界観は久しぶりな気がする。
前に見たのは何時だったか、随分昔のような気もする。
工場、のイメージがあるので、豊科で働いていた頃だろうか?
夢の不思議な物語に、夢現にぼんやり思い出す。