私はイタチである。
会って稽古する最後の日、私はシーンを一生懸命演技した。
それを見ていたユニットメンバーが、私の手の位置が胸の前で固定されていることを指摘した。
胸の前で手が固定されている上に、動きがちゅこまかとしているからイタチにしか見えないそうだ。
余りにイタチだったために、笑ってしまって仕方ない。
完全に無意識であったので、そんな胸の前に手があると驚いた。
今度は胸の前に手がいかないように注意して演技をした。
すると今度は手が外国人のする「why?」の両手を広げている状態で固定されていると指摘してきた。
一度で良いから腕を下ろして欲しいのに、ずっとwhyだったらしい。
難しい、何故にそんなところで手が固定されてしまうのか?
話を聞くと、どうも演劇初心者、高校生でwhyの手をする子はいるらしい。
どうも私だけの事象ではないようなのが面白い。
しかし、どうしたものか。
今はテレ稽古、つまり音声が主なので、動きは分からない。
自主トレーニングだと、無意識が出ているか判別できない。
とにかく気を付けたい、滑舌の悪さも直していかねばならない。
私はイタチであるが、イタチは卒業する。
why?の形に変容せず、役の形へ向かっていきたい。
止まる所は止まり、動く所とメリハリをつける。
やらねばならないことが多い。
一人、試行錯誤をしながら、昨日の自分を倒していく。
やることやって次に活かせる私でありたい。