・8月27日。
雨が降りしきる。
ハジメ、長山、長い長い道を歩く。
オワリ、迎えに出る。
オワリ こんにちは
ハジメ オワリ
オワリ 迎えに来たよ
ハジメ 迎え?僕たちを、どこに連れて行こうっていうんだ?
オワリ 大丈夫
オワリ、手を叩く。
影が沸き立つ。
オワリ 一緒に行きましょう
ハジメ 僕たちは、帰りたいんだ。オワリとは行けないんだ
オワリ こっちにおいで。ハジメ、こちらにおいで
ハジメ オワリ、僕は、まだ生きたいんだ
長山 ハジメ、耳を傾けるな
オワリ、影の中へ。
ハジメ 長山くん、大丈夫
長山 なら良いんだが?
ハジメ オワリは僕をあちら側に連れて行きたいのか?
長山 さあね?神様の考えることは分からんよ?
ハジメ 僕には待っている人がいる、やりたいこともある、だから、 オワリ。ごめん
長山 ほぉら、鳥居が見えてきたぞ?また随分と長いなぁ?ええ、おい?
ハジメ 鳥居、ああ、あれをくぐるのか
オワリ、影の中で笑う。