その6。
演劇としては、ここが好きだったり。
観客として観たい(このシーンだけ誰かやってくれないかな?)←人任せ。
6、坂井家、再び。
ベッカム、シャケ、フジヤマ、するりと登場する
ベッカム、斧を持ってベッドの下へ潜る。
シャケ、クローゼットの中に隠れる。
フジヤマ、柱の影に息を潜める。
頼子、玄関から物に当たり散らすように部屋に入る。
シャケ、クローゼットから、音を立てて出る。
頼子 ?あなた?
頼子、クローゼットへ。
ベッカム、顔を隠して、斧を持ってベッドから出て、頼子の後ろへ 。
頼子、振り返り、ベッカムを見て、動きが止まる。
静寂。
ベッカム、斧を振りかぶり、頼子ににじり寄る。
頼子、ハッとなって、必死にベッカムから距離を取ろうとする。
シャケ、頼子が近付いてきたタイミングで背後を取る。
シャケ ……にゃあ♪
頼子 ぎゃあああああ!
頼子、驚いて、思わずベッカムの方へ、行きかけ、パニックになる 。
フジヤマ、そっと頼子の足を掴む。
頼子 ふぎゃあああああ!
頼子、飛び退き、そのまま腰が抜けてしまう。
瞳、バケツを持って、厳然とした態度で、頼子の近くへ。
瞳 ……くらえぇ、積年のぉ、恨みぃ!(バケツを頼子に被せる)
頼子 ヒギャアアアア!
頼子、家から飛び出す。
ベッカム、シャケ、フジヤマ、小躍りする。
瞳、肩で息をして、座り込む。
ベッカム うまくいきましたね
シャケ うまくいきましたね
フジヤマ 最高の叫びでしたね?
ベッカム ……坂井さん、どうでしょう、このサプライズは?
瞳 ……あー、うん。ちょっとだけ、スッキリしたかな……でも、うー ん、空しい気もする……
ベッカム まあ、あくまで、気晴らしですからね
シャケ くらえ、積年の、恨み!
フジヤマ 気持ち、籠もってましたね
瞳 あー、そうだね、そう……思えば、ちゃんとやり返したの、これが 初めてか……
ベッカム ……さて、騒ぎになる前にお暇しましょう
シャケ お暇しましょう
フジヤマ そうしましょう
ベッカム、瞳に手を伸ばす。
瞳、一瞬、躊躇いながら、ベッカムの手を取る。
瞳、ベッカム、シャケ、フジヤマ、ワルツを踊るように。